「 高断熱 」と「 高気密 」について【前編】

弊社新築物件では、必ず設計に組み込まれる最重要ポイントの 【 高断熱 】 と 【 高気密 】 ですが、今更ながらこの2点がなぜ大切なのかを公式ブログでわかりやすくご説明していきます。 熱く語り過ぎたらボリュームが大きくなってしまったので今回のブログは前編・中編・後編の3話に分けてお話いたします。

目次

  1. 1. 高断熱とはどういう状態か
  2. 2. 高気密とはどういう状態か
  3. 3. 高断熱と高気密は両方必要?
  4. 4. 高断熱・高気密な状態は快適なの?  
    1. 4-1. 換気はどうするの?
    2. 4-2. 暑い時 / 寒い時はどうするの?
    3. 4-3. 湿度管理はどうするの?
    4. 4-4. 防音性能はあるの?
  5. 5. 高断熱・高気密のデメリット
  6. 6. 高断熱・高気密住宅の価格
  7. 7. 体験できる高断熱・高気密住宅

1. 高断熱とはどういう状態か

「 高断熱 」とは、シンプルにご説明しますと読んで字のごとく「 高い断熱性能を持っている 」状態のことを指します。

それでは、その「 断熱性能 」とは何なの?ということになりますが、こちらも名前そのもので「 熱を伝えにくくする性能 」ということです。

「 熱 」という漢字が使われているので「 暑さ 」をイメージしがちですが、外部からの熱気や冷気による影響を受けにくい状態が高断熱と言えます。

ちょうど、市販されている「 魔法瓶 / まほうびん 」をイメージしてもらうとわかりやすいです。熱い/冷たい飲み物を入れた時の温度でキープできるのが魔法瓶ですが、その飲み物を仮に空気と考えると、魔法瓶を持っている人は中の暑い/冷たい空気を何も感じないですよね。これがそのまま住宅に置き換わると、夏の暑さや冬の寒さによってお家の室温の上昇/下降が穏やかな住宅が「高断熱住宅」という事になります。

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2. 高気密とはどういう状態か

それでは「 高気密 」も高断熱と同じにように、暑さ/寒さの影響を受けにくい状態じゃないの?と思われるかもしれませんが違います。

例えば、ふわふわ浮いている風船も数日経つとしぼんでしまいますよね?これは、風船の目に見えない隙間から少しずつ中のヘリウムが外に抜けていくからですが、この内側と外側の間にある「 隙間 」が0に近いほど「 高気密 」な状態と言えます。

特に、住宅などのように大きなものになればなるほどこの「 隙間 」が生まれやすいのです。きっちりと建材を組み上げ目に見える隙間を無くすのはもちろんですが、気密テープなどを使ってさらに隙間を塞ぎ、最終的にお家を全て閉めきって特別な機械を使い気密値を測定します。

 

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ここで「C値」と言われるものが算出できます。これはお家の中にどれぐらい隙間があるかを示す数値です。この値に関しては少し複雑な説明も含むので、また別の機会に詳しく説明していきたいと思います。

「 高気密 」のまとめとして、厳密には正しい表現ではないのですがイメージを捉えていただくために簡単に説明します。熱は高いところから低いところに流れるので冬場であれば、気密が低いとせっかくエアコンや石油ファンヒーターなどの暖房器具で温めた空気が、どんどんお家の外に流れ出てしまいます。反対に、夏場は室内をエアコンで冷やすことによって、その隙間から外の暑い空気を吸い込んでしまいます。このように無駄な熱交換があちこちで発生してしまう 「 空気の隙間 」 をゼロに近づけたお家が、 「 高気密住宅 」 になります。

3. 高断熱と高気密は両方必要?

さて、ここまでで「 高断熱 」と「 高気密 」のお話をしてきましたが、「どちらもあれば良いと思うけど、片方で十分じゃないの?」「多めに工事するための口実では?」などと思われるかもしれませんね。それでは、なぜ「 高断熱 」と「 高気密 」の両方が必要なのかをご説明しましょう。

想像してみてください。あなたは冬山へキャンプに来ました。今日はあいにくの天候で、気温も低くとても寒い日です。日が暮れる前にテントを張って、泊まる準備を済ませました。寒いのでテントの中でストーブをどんどん焚いて暖をとろうとしますが、一向に暖かくなりません。おかしいなぁと、見回すとテントに穴が空いていてそこから隙間風が入り、温めた空気も逃げていました。

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※ここまでの状態が、「 気密が低い 」状態です。お家に置き換えると、隙間から入り込む冷気でお部屋が温まりづらかったり、電気代が余計にかかったりと良いことはありません。

そこで、あなたは穴を塞ぎテント内の暖かい空気を逃さないように気密を高めました。少しずつ暖かくなってきましたが、少しでもストーブを止めると一気にテント内が冷え切ってしまいます。

※この状態が、「 断熱性能が低い 」状態です。お家に置き換えると、外気からの影響をもろに受けるので快適な室温をキープするためには、冷暖房をつけ続けないといけないという非効率でお金のかかる状態です。

夜が明けると、あたり一面銀世界です。

気温や天候は昨日と変わらないのに、ストーブを消してもテントの暖かさが残っていることにあなたは気づきました。これは、空気を沢山含んだ雪がテントに積もったことで外気とテントを遮り、断熱材の役割を果たしテント内の空気が冷えずにキープできたからです。

このように、「 高断熱 」と「 高気密 」が二つ揃うことで相乗効果を発揮してそれぞれが単独で機能するよりも有効に活用できるのです。

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【企業理念】

見まもるくらしの提案と想像

釘一本の修繕から、新築・改装などの大きな工事まで、工務店だからこそ出来る
『顔の見える』お仕事を目指し、日々研鑽を積んでおります。