高断熱・高気密住宅に「必要」なものとは?9年住んでわかった間取りの重要性

目次
今回は、高断熱・高気密住宅を検討している方や、すでに建築を始めている方にも役立つ「快適な家づくりの本質」についてお話ししたいと思います。
私自身が高性能住宅に住み始めて9年が経ちました。
その経験を通して強く感じたのは、断熱性能だけでは“快適な暮らし”は実現しないという事実です。
高断熱住宅に住んだら「夏は涼しく、冬は暖かい」?

まず最初に、皆さんがイメージする「高断熱・高気密住宅」とはどんな家でしょうか? おそらくこれらように思われている方が多いのではないでしょうか。
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冬は暖かく、夏は涼しい
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エアコン代が安くなる
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外の音が聞こえにくくて静か
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壁が分厚くてしっかりしてそう
どれも間違いではありません。
しかし、これはあくまで「うまく設計されていれば」の話です。
実は私も、この“思い込み”で家づくりをしてしまった1人でした。
私の家のスペックと、設計で犯した“たった一つのミス”

私の家は以下のようなスペックで建てました。
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UA値(外皮平均熱貫流率):0.29 W/㎡K
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C値(隙間相当面積):0.2 cm²/m²
当時(9年前)としてはかなり高い断熱・気密性能です。
断熱材も高性能なものを採用し、窓も樹脂サッシ+トリプルガラス。
「これで冬も夏も快適に過ごせる!」と思っていたのですが……
住宅性能に対して、“間取り”は一般的なパターンをそのまま採用しておりました。
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1階南面にリビング、北側に水回り
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2階南側に各居室を配置
この配置、実は「普通の住宅」ならごく自然なのですが、高断熱・高気密住宅では思わぬ問題を引き起こしました。
冬の「オーバーヒート問題」に直面

1月・2月の冬場、南向きの居室は日中に大量の日射を取得します。
高断熱の壁+高性能窓がそれをしっかり取り込み、そして外に逃がさない。
結果、どうなったか。
日中はエアコンが必要ないどころか、窓を開けなければならないほど室内温度が上がりすぎてしまう状態に。
せっかく取得した太陽熱エネルギーを“窓を開けて捨てる”という本末転倒な結果になったのです。
結果として、燃費計算上の性能も大きく悪化。
「高断熱・高気密」=「快適」ではないという現実を痛感しました。
断熱だけでは快適にならない。「設計力」がないと意味がない

この経験を通じて、私が強く感じたことがあります。
それは──
高断熱・高気密住宅において最も重要なのは、断熱材の厚みでも窓の性能でもなく、「設計力」である。
どんなに性能が良くても、それをうまく活かす設計ができていなければ意味がないのです。
今、私が設計する際に心がけていること
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南側にリビングを配置(昼間に家族が集まる場所)
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北側に居室を配置(夜間利用が中心)
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熱エネルギーが滞留・偏在しないよう空間配置
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日射取得シミュレーション
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庇・軒の寸法の計算や窓の遮蔽計画
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冷暖房のエネルギー消費量まで見越した設計
よくある誤解:「断熱等級が高い=快適」ではない

2025年4月、省エネ基準が改正され、断熱等級7に相当する住宅を扱う工務店もこれから増えてくるでしょう。これにより性能数値だけを追い求めた家づくりが、より加速していく可能性があります。
しかし──
数値だけが良くても、住み心地の良い家とは限りません
見た目の数値だけでは分からないのが住宅の難しさです。
だからこそ、「設計力のある工務店」を選ぶことが、これからの家づくりで非常に重要になってくると私は考えています。
これから家づくりをする方へ──設計力のある工務店を選ぶコツ

「高断熱・高気密住宅なんて、どこに頼めばいいのか分からない」
「設計力があるかどうかなんて素人には分からない」
そんな方に向けて、以下を参考にされてはいかがでしょうか?
✅ 工務店選びのチェックリスト
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高断熱住宅の実例を見せてもらえるか
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冬や夏の体感温度の説明があるか(オーバーヒート・結露などの説明)
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日射取得や色々なシミュレーション結果を示してくれるか
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「暮らしの時間帯」や「使い方」に合わせた提案があるか
また、新住協などの団体に加盟して積極的に高性能住宅の新しい技術を取得している企業も安心ではないでしょうか。
高断熱住宅で「不要になったもの」

最後に、ちょっとしたエピソードを。
高断熱・高気密住宅に住むようになって、使わなくなった物をご紹介します。
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扇風機:真夏でも窓を閉めてエアコン1台で家全体が涼しくなるため不要に。
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厚手の冬布団:夜も室温が安定しているので、薄手の布団で十分。
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冬用の暖かい部屋着:1年を通して快適な室温が保てるので、衣類で調整する必要がほぼなくなりました。
まとめ|数値より「暮らし」を考える家づくりを
家は、数値だけで選ぶものではありません。
「どんなふうに暮らすか」をベースに、断熱・気密性能を活かす設計こそが、快適な住まいを実現します。
もし今、家づくりを考えている方がいたら──
ぜひ、「高断熱住宅の設計に強い工務店か?」という視点を持って、パートナー選びをしてください。
タカハシ工務店では、断熱性能だけでなく暮らしに寄り添った設計提案を心がけております。高性能で、快適な家を一緒に考えてみませんか?

【企業理念】
見まもるくらしの提案と想像
釘一本の修繕から、新築・改装などの大きな工事まで、工務店だからこそ出来る
『顔の見える』お仕事を目指し、日々研鑽を積んでおります。
